永楽信用金庫の通帳が出てきました。
どうしたらいいでしょうか？

　亡くなった方の遺品を整理していると、かなり古い通帳が出てくることがあります。中には、聞いたこともない金融機関や既になくなっている金融機関の通帳もあります。

　そのような場合、どうしたらよいでしょうか？

　ほとんどの金融機関は、合併したり、破たんしたりしても、どこかの金融機関が預金を引き継いでいます。そして、預金を引き継いでいる金融機関で、預金の相続手続をすることができます。

　永楽信用金庫の預金も、どこかの金融機関に引き継がれており、預金を引き継いだ金融機関（信金）にて、相続手続きができます。

　では、具体的に、どこの信金に行けば手続きができるでしょうか？

　実は、「○○に行けばよい」と一言でいえないのです。

　まずは、永楽信用金庫という名前が存在しなくなって以降の変遷を見ていこうと思います。

　永楽信用金庫は、１９９８年３月１６日に、大恵信用金庫、第一信用金庫と合併し、わかば信用金庫となりました。そのわかば信用金庫は、２００１年２月２６日に９つの信用金庫に分割事業譲渡されました。預金は、支店ごとに、9つの信用金庫に分割して継承されたのです。

　永楽信用金庫の口座がどこにあるのかをわかりづらくしているのは、この分割譲渡に原因があります。どの信金に事業譲渡されたかはわかるのですが、具体的に、どの支店がどの信金に事業譲渡されたかまで触れているところはあまりないように思います。少なくとも、現時点で、ネット上には、分割譲渡先を具体的に記しているようなページを見つけることができませんでした。　

　そこで、私が、わかば信用金庫の事業譲渡先を、支店ごとに一覧にまとめてみました。下記一覧の信金のうち、現在でも存在しているところについては、その信金に問い合わせれば、名義書き換えや解約手続きが可能です。

　上記の一覧にて、現時点で存在している金融機関については、その金融機関に問い合わせればよいことになります。

　上記の一覧に記載された譲渡先の信用金庫が既になくなっている場合（名前が変わっている場合含む）にはどうしたらよいでしょうか？旧永楽信用金庫の店舗に限らず、全店舗について、現在、どの信用金庫になっているか確認していきたいと思います。

　それでは、信用金庫ごとに順に見ていきたいと思います。

　まず、太陽信用金庫ですが、日興信用金庫、王子信用金庫、荒川信用金庫と合併して、城北信用金庫になりました。

　同栄信用金庫は二度の合併を経て、さわやか信用金庫になりました。

　東調布信用金庫は芝信用金庫と合併しました。

　王子信用金庫は、太陽信用金庫のところでも書いたように、いくつかの信金と合併し、城北信用金庫になりました。

　多摩中央信用金庫は、太平信用金庫、八王子信用金庫と合併し、多摩信用金庫になりました。

　その他の信用金庫は、２０１９年１２月現在で同一名称で存在しています。

　今回、支店の統廃合の結果、どの支店が口座を引き継いでいるまでは追っていませんが、金融機関さえわかれば、預金の名義書き換え等の手続は可能だと思います。

　古い預金通帳が発見されたような場合、残念ながら、残高が少ないケースが多いです。普段使っている口座や残高が多い口座は、探すまでもなく存在が分かっていることが多いからです。

　もし、残高が数百円しかないような口座が発見されたら、どうすればいいでしょうか？故人名義の銀行口座があっても、必ず相続手続きをしなくてはならないなどということはありません。放っておいても、特に問題はありません。

　従って、あまりに額が少ないような銀行口座については、費用対効果や手間の問題から何もせずに放置しておくという選択肢もあると思われます。

　今回の内容は、平成１２年１０月付のわかば信用金庫のお客様各位宛の「ご案内」という文書をもとに作成しました。