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結論から言うと、このような場合、代襲相続が発生し、存命だったらAの相続人になったであろうBの代わりに、Bの子どもが相続人になります。従って、相続人はCとBの子どもということになります。
父 調布栄一郎 平成16年9月10日死亡
母 調布佐須子 平成31年4月15日死亡 不動産の登記名義人
長男 調布栄太郎 平成25年5月15日死亡
長男の配偶者 調布花子 存命
孫 調布栄次郎 栄太郎の長男 存命
孫 調布みどり 栄太郎の長女 存命
二男 調布勇次 栄太郎の二男 存命
孫 調布勇太郎 勇次の長男 存命
上記の設例で、被相続人調布佐須子さんの相続人は誰でしょうか?
この事例のポイントは、被相続人より先に、存命であれば相続人になるはずだった息子さんが死亡しているという点です。
世の中、何が起こるかわからないので、人が年齢順に亡くなっていくとは限りません。実際、親よりも子のほうが先に亡くなってしまうケースは珍しくありません。
このように、本来相続人になるはずだった方が、被相続人よりも先に亡くなっている場合、どうなるかというのが今回の設問の趣旨です。
そして、結論から言うと、このような場合には、代襲相続が起こります。
(子及びその代襲者等の相続権)
第887条
1 被相続人の子は、相続人となる。
2 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
3 前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。
民法887条2項は、「被相続人の子が、相続開始以前に死亡したときは、【略】その者の子がこれを代襲して相続人となる」と規定しています。
被相続人よりも先に子が亡くなったときは、亡くなった人の子ども(孫)が亡くなった人の代わりに相続人となるのです。いわば、相続人の(直系の)相続人が本来相続人が引き継ぐはずだったはずの相続分を承継することになるのです。
そして、被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合において、相続人の兄弟姉妹が被相続人よりも先に亡くなっている場合も、代襲相続が発生することになります。その場合には、甥や姪が相続人になります。
まとめると、被相続人の子及びきょうだいが相続権を有する場合の兄弟姉妹の子は、相続人になるはずだった人が被相続人よりも先に亡くなった場合、相続人になる人だった人の代わりに、相続人となることができます。
これが代襲相続です。
今回の事例の場合、相続人になるはずだった調布栄太郎さんの代りに、栄次郎さんとみどりさんが相続人になるのです。
代襲相続の事例で、本来相続人になるはずだった人のことを被代襲者といいます。今回の例では、調布栄太郎さんが被代襲者です。
被代襲者の配偶者は代襲相続人になれるでしょうか?
被代襲者の配偶者とは、今回の事例でいうと、調布花子さんのことです。
「その者の子がこれを代襲して相続人になる」と書いてあることが示すように、被代襲者の配偶者は代襲により相続人になることはありません。
つまり、調布花子さんは、相続人になることはできません。
従って、今回の設例の答えは、栄次郎さん、みどりさん、勇次さんの3名となります。相続人の相続人がすべて代襲相続人になるわけではないので、注意が必要です。
設例とはそれますが、被代襲者の配偶者が相続人とならないことで、当事者の思いが実現しないようなことがあり得ます。
例えば、ご長男が亡くなったあとも、「お嫁さん」がご長男の両親と同居して、その面倒を見ていたようなケースです。このような場合、お嫁さんは相続人にはなれないので、遺産やご自宅を承継することができない可能性があります。
このような場合で、お嫁さんに財産を残したいと思う場合、遺言を残す等の対策が必要となります。
前述のように、今回の例で、相続人は、
調布栄次郎さん(代襲相続人)
調布みどりさん(代襲相続人)
調布勇次さん(子)
の3名となりました。
法定相続分の割合はどうなるでしょうか?
代襲相続人の全員で、被代襲者が取得するはずだった相続分を引き継ぐことになります。そして、代襲相続人どうしの間での相続分は等しくなります。
従って、
調布栄次郎さん(代襲相続人) 4分の1
調布みどりさん(代襲相続人) 4分の1
調布勇次さん(子) 2分の1
という相続分になります。
勿論、これはあくまで法定相続分であり、相続人全員が同意すれば、受け継ぐ割合をいかようにも変えることができます。
さほど例は多くないと思いますが、「再代襲」についても簡単に触れておきたいと思います。
代襲相続について調べている方は、「再代襲」という言葉をよく目にすると思うのですが、再代襲とはいったいなんでしょうか?
再代襲とは、被代襲者だけででなく、代襲相続人までもが被相続人よりも先に亡くなっているような場合に起こることです。具体的には、本来相続するはずだった人の孫がおじいさんやお父さんに代わって相続することになります。
そのようなケースはレアケースだと思いますが、再代襲により、下の代に引き継がれることになるのです。
再代襲について、一つ注意する必要があるのは、兄弟姉妹の相続の場合、代襲相続は発生するが、再代襲はないということです。甥や姪が代襲相続人いなることはあっても、甥や姪までもが被相続人よりも先に亡くなってしまっている場合には、そこで下の代への相続の流れは止まってしまうのです。
その他、養子の場合はどうなるかなど、いくつか問題点はあるのですが、そのような問題については、個別にお問い合わせいただけると幸いです。
代襲相続と似て非なるものに数次相続というものがあります。
数次相続というのは、今回の設例と全く同じ人間関係で、佐須子さん→栄太郎さんの順番で亡くなった場合のことです。佐須子さんの相続の話し合いがつかない間に相続人である栄太郎さんも亡くなってしまったような場合です。
数次相続の場合、人間関係は同じでも、誰が相続人になるのか、代襲相続の場合とは全然異なってきます。最大の違いは、この配偶者が相続人になるという点です。
数次相続については、このページをご参考にしてください。
妻の母名義の土地がありますが、母→妻の順番で既に亡くなっています。土地の名義を自分名義に変えるには、どうしたらいいでしょうか?
そのほか、代襲相続には、養子が代襲相続人となれるのかというような問題もあります。この問題のポイントは、887条2項但し書きに「ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。」と書いてあることです。
結論から言うと、養子縁組をした時期と養子の子が生まれた時期の先後によって結論が変わるのですが、このような例の場合、ネット上で知識を得るよりも、実際にご質問をしていただいた方がよいように思います。
孫を養子にしているような場合で、その孫の親が亡くなった場合には、その孫は、養子としての立場と代襲相続人としての立場と、二つの立場で相続人となることになります。そのような場合の相続分の問題等については、また別の機会にご説明できればと思います。
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